こんにちは、中村ゆずるです。
先日「経営計画は必要か?」というテーマの勉強会に参加しました。
経営計画策定の支援をしている身からするともちろん「必要!」というわけですが、じゃあなぜ必要なの?と言われると必要な理由が整理されていなかったりするので、いくつかポイントをまとめてみます。
経営計画策定のメリット
ズバリ経営計画策定のメリットは、
- 目標(方向性)の明確化
- リスク管理
- 意思決定の指針
- 外部との交渉
- 従業員の動機づけ
他にもいろいろあるかもしれませんが、ざっとこんなところでしょう。
1.目標(方向性)の明確化
これは、経営”計画”という言葉が悪いと思っていて、経営計画は時に『目標』であり、時に『仮説・シュミレーション』であるというのが自分の考え方です。
「こうなりたい」という目標を明確にもち、その目標を数値に落とし込む。そして行動に落とし込む。
ここまでできればどこに進むのか方向性も明確になってくるのではないでしょうか。
2.リスク管理
1.目標の明確化でも書いたように経営計画は仮説・シュミレーションの側面も持っていると言えます。
そこでさまざまなパターンで仮説をたて、シュミレーションを行います。
そうすることで幅広い事象を『想定内』とすることが可能になります。
※リスク管理とは想定外を減らし、想定内を増やすことだと言えます。
3.意思決定の指針
目標の明確化、リスク管理を意識して経営計画を作成したのであれば、意思決定の指針として活用できることもイメージができるかと思います。
AかBか…。意思決定を迫られた時、どちらがこの目標の達成により近いのか、リスク管理の観点からどちらを選択する方がいいのか。「意思決定はそんなに単純じゃない!」なんて声も聞こえてきそうですが、計画がある場合とない場合とでどちらの方が意思決定が楽になるか。はすぐにわかりそうです。
また、外部環境の変化が起きた時の対応も意思決定の一つです。
変化が起きた時、計画との差を分析することで、行動の変更、計画の変更など迅速に対応することが可能です。
4.外部との交渉
中小企業だと銀行への融資申し込みが主でしょうか。
融資の申し込みを行おうとすると大抵の場合「計画書」の提出を求められます。そこから慌てて融資を受けられるような計画書の作成を依頼されたりすることもあるわけです。
そもそも経営計画を作っていた場合はどうでしょうか。
計画上必要な設備投資があり、そのために必要な資金、調達したい資金などが明確になるので事前に余裕を持って融資の申し込みを行うことができます。また、環境の変化など不測の事態で資金が足りなくなるような場合も早めに察知することができ当初の計画を適切に修正する形でスムーズな融資の申し込みが可能です。
日頃から計画と実績の比較を行い軌道修正しているのであれば、銀行からの評価も得られることでしょう。
5.従業員の動機づけ
最後は、従業員の動機づけ
『経営者の想い』はなかなか従業員へ伝わりません。
いわゆるミッション・ビジョン・バリューなど言葉にして浸透させる。とはよく言いますが、簡単なことではありません。
言葉は想いという見えにくいものを見えやすくするための強い武器です。数字もまた、想いを可視化する強い武器なんだと思います。
経営者の想いは言葉と数字に変換し働く動機へと進化させることができます。
経営計画のない経営は『地図のない冒険』
経営計画のない経営は『地図のない冒険』です。
経営の場を示し、目的地と現在地とルートを確認する。それが地図を持った冒険。
地図のない冒険は、目的地が不明確で行き当たりばったり。時にそんな行動が必要な時もあるかもしれませんが(それも冒険の醍醐味)、それでは大局はつかめませんし変化や不測の事態が生じた際の軌道修正が困難になります。
経営には『地図(経営計画)』を持って行った方がいいでしょう。
経営の地図を作る
とはいえ、経営計画を作成することを良く思わない経営者がいるのも事実です。
「計画を立ててもその通りにはいかない」「計画を作成している時間が無駄」なんて理由を聞くことがあります。
「計画通りにいかない」については前述したとおり、計画は、計画通りに進めることよりも軌道修正が重要なポイントです。
「計画作成の時間」については計画作りにあまり力を入れすぎないというのが解決策になるかと思います。
仮説をもとにいくつものシュミレーションを作ったり、計画を修正したり。一度作った計画はコピー修正を繰り返します。その度力を込めて力作を作っていては確かに余分な時間と言えるでしょう。
数字の根拠や想いの反映はしっかりとしつつ、気楽に作れる環境というのが大事だと思います。
当事務所では、経営支援クラウド『bixid(ビサイド)』をオススメし、経営計画作成やモニタリングの支援を行っていますが、詳しい話は、また次回に。
過去にこんな記事も書いていましたので気になった方はこちらもぜひ。