こんにちは、
中村ゆずる(@yuzuru098)です。


先日、「コロナ融資を受けて安心する前に、収支の見直しをすべき」といった趣旨の記事を書きました。

この記事の最後にも触れているのですが、
今回は収支分析について少し詳しく。3つのポイントで解説してみたいと思います。

コロナ融資は、あくまでも延命治療

その前に、

これも前回の記事で言っているのですが、コロナ融資はあくまでも延命治療です。
短期的な売上減を補うために低金利で借りることができたというだけ。

いずれは返さないといけない時が来ますし、そのための利益は事業を通じて出さなければいけません。

強い経営体質を作る

そもそも、平常時から収支について考えていれば、コロナになってから慌てることもなかったかもしれません。
P/Lが大事か、B/Sが大事かという議論もありますが、ぶっちゃけどちらも大事です。経営の両輪です。
P/LとB/Sはそれぞれ個別で考えるものではなく、つながりが大事なのです。

中小企業の場合、資金調達はオーナーの出資と銀行からの融資がほとんどでしょう。あとは、事業で得た利益の再投資です。

資金を外部に依存しすぎず、事業から生まれた利益を再投資することで事業を推進する。そんな状態こそ強い経営体質と言えるのではないでしょうか。

自社を把握して次の打ち手を考えましょう

あなたの会社の経営体質はどのような状態でしょうか。
どのように売上を上げ、そのためにかかる原価はいくらか。そして毎月かかる諸経費はどのくらいなのか。

P/Lをざっくりと3つのポイントに分けて把握し、改善点、次の打ち手を考えてみましょう。

収支分析の3つのポイント

細かく言えばもっとありますが、ざっくりと3つのポイントがわかれば問題ありません。

  1. 変動費”率”
  2. 固定費”額”
  3. 損益分岐点+α

これら3つがどうなっているのか。P/Lをみながら分析してみましょう。

1.変動費率

まず最初は、『変動費率』
売上に占める変動費の割合(%)で、計算式は《変動費÷売上×100》で求めます。

ちなみに、『変動費』とは売上の増減と連動して増減する費用のことで、そのほとんどは売上原価です。企業や業種によっても違うので、迷うようなら売上原価を見てみましょう。(顧問税理士に確認するのもいいと思います)

この変動費、業種によって業界平均が大きく変わります。なので、異業種と比べても全く参考にならないこともあるので要注意です。(あえて比べてみることで新しい発見もあるかもしれませんが)
同業他社と比較して、自社の数値がどうなっているのかをみてみましょう。または過去数年間の変化を比較してみましょう。

この『同業他社比較』『◯年間比較』は財務分析を行う上でとても大事な視点です。

2.固定費”額”

次に『固定費額』
“額”であることがポイントです。先ほどは”率”だったのに対してこちらは”額”で考えます。こちらは式はありません。文字通り固定費の”額”を見ます。

ちなみに、『固定費』とは売上の増減にかかわらず毎月ほぼ一定の金額が発生する費用のことです。多少の変動はあったとしても売上との直接的な関連がなければ固定費として扱います。先ほどの(変動費≒原価)だったのに対して、固定費のほとんどは販売費及び一般管理費となります。

ここも同じく、『同業他社比較』や『前年、前々年比較』などを行います。

3.損益分岐点+α

肝心なのがこの『損益分岐点』の考え方で、月間でいくら売上があれば、損益トントンになるか。を表したものです。求め方は、《固定費”額”÷変動費”率”》となります。

損益分岐点については学生時代に教わった『学園祭のたこ焼き屋』の例えがいまだに分かりやすくて好きです。

学園祭でたこ焼き屋を出店します。
  • 1パック500円で販売
  • 1パック売るのに200円かかる(材料やパック代)
  • 出店するのに20,000円かかる(機材のレンタルなど)

赤字を出さないために、たこ焼きを何個売ればいいのでしょうか?

  • 変動費率→40%
  • 固定費額→20,000円

損益分岐点は 20,000円 ÷ 40% = 50,000円
50,000円 ÷ 500円(たこ焼き1パック) = 100個

-答え-
たこ焼き100個売れば、赤字にはならない。

この例え、学園祭ならいいかもしれませんが、事業だと大事なことが一つ抜けていると思いませんか?

そう、利益が出ないんです。たこ焼き100個だと利益がちょうど0円になるので、いわゆるトントンなんです。損益分岐点とは収支がトントンになる売上を計算するものなので、損益分岐点から導き出される売上は、あくまでも売上がこの数字以下だと赤字になりますよ。というものです。

そこで、『+α』の出番です。

打ち上げ費用を捻出せよ!
  • 打ち上げ費用30,000を捻出したい

先ほどの『固定費』に希望の利益額(50,000円)を足して、同じ計算をします。

(固定費 + 希望利益) ÷ 変動費率

(20,000 + 30,000) ÷ 40% = 125,000

125,000円 ÷ 500円(たこ焼き1パック) = 250個

-答え-
たこ焼き250個売れば、30,000円の打ち上げ費用を捻出することができる。

学園祭という設定なので、打ち上げ費用としましたが、実際の事業だとどうでしょうか。
この部分に『返済原資』も含まれます。学園祭であれば、目標は最低限100個以上、できれば250個以上。でいいと思いますが、実際の事業だと最低でも『固定費+返済額+税金』の利益が必要となります。

分析結果をもとに次の打ち手を考える

実際の事業を分析してみてどうでしょうか。

  1. 変動費
  2. 固定費
  3. 損益分岐点+α → 必要売上高の把握

この3つのポイントを意識するだけで様々な打ち手を考えることができます。

  • 変動費の改善(基本的には下げる戦略ですが、あえて上げる戦略もあります)
  • 戦略固定費の選出(売上を上げるためにしっかりと使う固定費を決め、実行する)
  • 一般固定費の改善(戦略固定費以外の固定費は、削減のアイディアを出す)
  • 必要売上高の確保(マーケティング、セールスの戦略)

突き詰めて考えれば、利益を上げるとは売上を上げるか、経費を下げるか。の2つだけです。この2つを分解していった先にいま、行うべき行動が隠れています。そのきっかけとして、この収支分析は最適な分析だと思います。

事業活動はこの収支の中のどこかの数字に結びつきます。

もし、どこの数字にも結びつかない活動をしているのであれば、その活動は『ムダ』なのかもしれません。