こんにちは、中村ゆずる(@yuzuru098)です。
2020年は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、手元資金確保に向け新規の融資を受けた方も多いことでしょう。その返済がそろそろ始まる(始まっている)という方も中にはいるのではないでしょうか。
ここ数年は「P/L(収支)よりB/S(資金、資産)を見よ」という風潮がありました。
「単年の収支より長期的な資金調達と資産運用に目を向けなさい」という意図があったり、収支ばかりで資金繰りのことをあまり考えない経営者が多かったから。という背景もあるかと思います。
しかし、ボロボロになってしまった収支のまま、何の対策もなく返済が始まってしまうとどうなってしまうでしょうか。
そう、結局資金が尽きてしまいます。
ボロボロになってしまった収支に目を向け、集中的に改善しなければいけない。
今は短期戦略に重点を置いた方がいいのではないかと思っています。
資金ショート=倒産という現実
赤字よりも恐ろしい、資金繰りの話
今では手形決済もだいぶ少なくなり(今までで2社ぐらいしかみたことがありません)不渡り=倒産という図式はほとんど見なくなったような気もします。
しかし、支払いが滞る≒倒産と言っても言い過ぎではないでしょう。
そのため収支よりも資金繰りの方が重視されます。(意外と収支にばかり目がいって資金面に無頓着な方も時々見ますが…)
特にBtoBの事業をしている場合、掛け取引がほとんどでしょうから、売掛金の回収サイト、買掛金の支払いサイト、人件費や外注費の支払いサイトなどしっかりと把握している必要があります。
把握しないまま、無闇に売上を拡大してしまうと、儲かっているのに倒産なんてことになりかねません。
とはいえ、黒字でなければ借金は返せない
計画的な赤字で将来的に収益が見込める場合、出資や融資で資金調達を行い、開発に集中する。ということもありますが、コロナによる打撃を受け、借入をした企業の多くはそうではないでしょう。
返済についてもしっかりと考えなければいけません。
返済に充てる資金はどこから手に入れればいいのかというと、当たり前のことですが、事業であげた利益です。
そう、事業が黒字でなければ、借金の返済はできないのです。
コロナ融資は延命治療。根本的な解決はされていない
いま行っている事業で利益は出ていますか?
「売上が激減して大赤字だから借りたんだよ!」なんて声も聞こえてきそうですが、じゃあ、どうやって返すの?という話になります。
コロナが落ち着いて、元の売上に戻る。収支が安定し、利益が出る。それまで持ち堪えればいい。そう考えていた人も多いように感じますが、本当にそれで大丈夫でしょうか?
予想以上に長引いている自粛生活やリモートワーク、いわゆるアフターコロナと言われる社会はコロナ前の社会と同じでしょうか。同じような需要があるのでしょうか。
『新しい生活様式』があるように『新しい事業様式』を考え収支を見直し事業を黒字化する必要があるのではないかと思います。
自社のこと、理解していますか?
自分の会社のこと、どのぐらい理解(把握)していますか?
自社の収益モデルを理解していますか?
事業は『何かしらの価値を』生み出し、それを『顧客に届ける(提供する)』ことで収入をあげています。
その『何かしらの価値』を生み出し、『顧客に届ける』ために使った資金を得られる収入を超えたとき初めて、利益が出ます。
自社が何を生み出し、誰にどう届けているのか。について考えるにあたり、書籍『そのビジネスから「設け」を生み出す9つの質問』にある9セルや『ビジネスモデル図解』がとても参考になると思います。
自社の収益の現状を理解していますか?
そして、前述したように「利益は出ていますか?」という質問になります。
「コロナ前はよかった」「実はコロナ前から悪くなりつつあった」「回復の兆しがある」「回復する様子がない」
単純に今、利益が出ているかだけでなく『過去』『現在』『未来』という時間軸も付け加えて考えてみてください。
自社の毎月の返済金額(今とこれから)を知っていますか?
最後に、借入金の総額。そして毎月の返済額を知っていますか?
単純計算でですが、毎月の返済額以上に利益がなければいけないということになります。
また、当然ながら借入金の返済は経費ではありませんので、出た利益には税金がかかります。つまり『返済額+税額』以上の利益がなければいけません。
事業の黒字化こそが最優先事項
会社が生き残るためには、資金が必要。(だから借入をした)
しかし、その借入を返すためには、利益が必要
利益を上げるためには、変化しなければいけない。
その『変化』を考えることこそがいま最も優先して行うべきことなんだと思います。
(まとめ)自社を理解し、打ち手を考える
- 自社のビジネスモデルを見直す
- 自社の現状を把握する
- 必要な売上を把握する
- 必要な売上を達成するための施策を考える
自社を理解し、打ち手を考える。
次回は自社の現状を把握するP/Lの見方について考えてみたいと思います。